まだ見ぬデータベースを構築したい
2021年12月8日
VBHCを推進するためには、医療技術を提供した前と後を比較して、対象となる患者さんがどう改善したのか、その成果を医療者が知る必要があります。現在、既存のデータベースでは、医療技術の成果を正確に把握することができるものが存在しないため、その構築が望まれます。
- DPCデータベース
- DPCとはDiagnosis Procedure Combinationの略。包括支払い制度のツールとしてのイメージが強いが、それは大きな役割の一つであり、元々の意味は傷病名と治療行為を組み合わせた「診断群分類」である。患者さんの臨床情報や診療行為などの情報が全国統一形式のデータとして蓄積されている。
Point
- 医療者が、医療技術や製品のポテンシャルを客観的に評価するためにはデータベースが必要だが、そのような目的にかなうデータベースは存在していない。
- 医療技術に適した臨床検査データや製品情報などを追加すれば、使えるようになる既存のデータベースがあるので、それを機能強化するのが現実的である。
- 上記のデータベースが構築されれば、医療技術の評価だけでなく、イノベーション評価や再評価などにも幅広く活用できる。
リアルワールドデータベースは、一長一短あり
リアルワールドデータとは、医療行為や請求額など診療報酬明細書を管理する「レセプトデータ」、DPC(診療群分類)制度を導入した医療機関が全国統一フォーマットで作成した「DPCデータ」、患者さんのカルテをデジタル化した「電子カルテデータ」など、診療行為に基づいて収集されたデータの総称で、すべて匿名化されています。これらのデータを扱っている既存のデータベースが、医療技術の成果を適切に把握するためには、日本の全患者さんを網羅し、患者さんが転院しても医療情報を追跡できて、医療技術を適切に評価できる検査結果や製品情報がデータベースに標準化されている必要があります。しかし、既存のデータベースは一長一短があり、医療技術の成果の把握に適したデータベースの構築が望まれます。
候補としてのDPCデータベースと、その機能強化
ID管理した患者プロファイル情報によって患者さんの背景がつかめること、さらには重症度が把握できることなどから、DPCデータベースが医療技術の成果を把握するデータベースとして候補に上がりました。DPCデータベースは、全国1000以上の医療機関から収集した匿名化された入院患者データベースで、年間700万超の症例数を管理しています。臨床検査データや製品情報などを追加することでDPCデータを機能強化することはもちろん、患者背景や重症度を紐づけることで、医療技術の成果を評価することが可能になると考えられます。