アウトカム評価は、世界的な潮流になっている
2021年12月8日
- キーワード
医療の質的向上を図るうえでは、医療機関におけるアウトカム(成果)評価を診療報酬に含めることが、世界的な潮流です。AMDDは、医療の質的向上だけでなく、医療費の最適化のためにもアウトカム評価を加えたほうがよいと考えていますが、対象集団の違いがアウトカムにつながってしまうため、医療機関や集団の特性に応じた調整が前提となります(例:重症患者の多い医療機関とそうでない医療機関)。
- 医療の質
- 1980年にアメリカのアベティス・ドナべディアンが提唱したものが有名で、医療の質はストラクチャー(構造)、プロセス(過程)、アウトカム(成果)という3つの側面から評価できるとされている。
Point
- アウトカム評価を診療報酬に加えることが世界的な流れであるが、日本ではまだわずかしか導入されていない。
- 日本の医療機器の保険の支払いは機能区分制度のため、同じ区分に入っている製品は、たとえアウトカムに差があったとしても評価(価格)が同一となり、より良い製品を導入しようとしているメーカーの意欲が削がれる可能性がある。
- アウトカム評価を導入することは、医療の質的向上をバックアップすることになり、結果的に患者さんの利益になる。また、医療資源活用の最適化につながる可能性もある。
「医療の質」の3つの側面について
医療の質を評価する場合、ドナべディアンモデルといわれる手法が最もポピュラーで、ストラクチャー(構造)、→プロセス(過程)→アウトカム(成果)という3つの側面で成り立っています。
- ストラクチャーは医療が提供される諸条件を指し、物的資源、人的資源、組織的特徴などで構成されます。
- プロセスは医療がどのように提供されたかを指し、診断、治療、看護、手術、リハビリテーションなどの医療行為そのものです。
- アウトカムは提供された医療によって患者さんがどのように変化したかを指し、治療の成果、患者さん満足度、再入院率などが含まれます。
このように3つの側面から評価していくことで、医療の質を向上させていくことが可能になります。