JACRI/AMDD/EBC3団体が共同で臨床検査におけるIVDの役割と課題を厚労省に提出
2010年8月4日
- キーワード
-IVDの迅速、かつ合理的な審査体制の確立のために-
本日8月4日(水)、日本臨床検査薬協会(JACRI)、米国医療機器・IVD工業会(AMDD)および欧州ビジネス協会(EBC)は厚生労働省に対し、体外診断用医薬品(IVD)業界3団体として共同のポジションペーパーを提出し、病気の予防・診断・治療・予後の経過観察などの臨床検査における、最新のIVDの価値、役割、患者へもたらすベネフィット、そして業界が直面する課題と改善のための提案について、以下の通り説明しました。
1.長期化する審査期間: 審査体制の改善の必要性
独立行政法人医薬品医療機器総合機構(PMDA)により、IVDの審査期間は新規項目などの条件に関わらず一律6ヵ月間と設定されています。しかし期間内に承認される製品は半数以下と、審査の長期化が多数発生しています。
最新の技術によるIVDが迅速に承認されるよう、審査プロセスの改善や審査要求事項の見直しなど、PMDAの審査官が効率的に審査を行える体制の改善を要望いたします。
2.IVDの臨床性能試験のガイドライン策定を提案
現在、IVDには臨床性能試験のガイドラインが存在しません。そのため、試験を行うためのルールが明確ではなく、各医療機関の受け入れが統一されていないという現状があります。
IVDのための臨床性能試験ガイドラインを策定することが、審査の合理化、しいては医療の発展に貢献する意味のあるIVDが、迅速かつ科学的合理性を持って国民に提供されると考えます。
3.コンパニオン診断薬に関する新たな承認審査基準とルール作りの必要性
近年、患者の遺伝子やタンパク質などのバイオマーカーを「コンパニオン診断薬」と呼ばれるIVDで検査することで、効果的、かつ低リスクの治療法を選択する個別化医療が普及し始めています。しかしIVDを適切かつ迅速に審査・承認する基準が明確でないことから、新しい治療法に対応する「コンパニオン診断薬」の提供が大幅に遅れてしまう事例が発生しています。
今後、ますます広がりをみせる個別化医療に対応し、患者一人一人に最適な医療を遅延なく提供できる環境を作るために、「コンパニオン診断薬」に関する新たな承認審査基準及びそのルール作りが喫緊の課題であると考えます。
JACRI、AMDD、EBCの3団体は、患者さんが、最新の検査技術の恩恵を受けられるよう、上記3項目を含むIVD業界が直面する課題への詳細な改善策について、引き続き提言を行っていきたいと考えております。
以上
※ この度提出したポジションペーパーの詳細は「提言書など」よりご覧いただけます。