適切な検査を、適切な時期/場所で
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血液や尿を検体とする検体検査はおよそ700項目が現在保険適用されております。診療報酬上の評価は5点から6,000点まで幅広く分布しています。検査がどのような機会に行われるかを調べた海外の調査によれば、初診の患者さんの約7割が血液検査を受けており、診療科では内科からのオーダーが最も多いということです。
わが国でもほぼ同じ傾向と思われます。主訴や臨床所見から必要とされる検査(例えば肝機能や腎機能など)を依頼し、臨床所見と併せて診断を下しますが、さらに診断を確定するため、あるいは治療法を決めるためにより高度な精密検査が行われる場合もあります。また、治療開始後、治療効果を判定するためにも検査が利用されます。
このように診断から治療まで、検査なしに医療が進行することは少なく、検査結果が頼りとされています。しかし、多くの検査があったとしても適切に行われなければ医療に生かされません。
最近、必要な時期や必要な検査を怠ったために不幸にして患者さんが亡くなり、医療事故として多額な損害賠償金の支払いが求められるケースが報道されています。一方で、「重複検査」や「検査のやりすぎ」という言葉が医療費の議論で取り上げられています。
「適切な検査」を「適切な時期」に「適切な場所」で行うことが医療ニーズを満たし、また効率化にも寄与することができると思います。
文責:ロシュ・ダイアグノスティックス株式会社 田中敬子