一般社団法人 米国医療機器・IVD工業会

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医療技術・IVDの変遷

眼内レンズ:水晶体嚢に挿入

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白内障患者の眼の中に世界で初めて人工のレンズが挿入されたのは1949年のことでした(公式記録は1950年2月8日)。

白内障は、加齢などによって水晶体が濁る病気です。濁った水晶体で光が散乱するため、かすむ、ものが二重に見える、まぶしいなどの症状があり、進行すると視力が低下して眼鏡を使っても視力の矯正ができなくなります。世界での失明原因第1位の疾患です。水晶体の濁りを取り除く特効薬はありませんが、今では水晶体の中身を吸引除去し、残った薄い膜(水晶体嚢)の中に、折りたたんだ眼内レンズを挿入して治療するのが主流です(図参照)。

日本で眼内レンズが承認されたのは1985年ですが、当時の固い折りたためない素材から、現在の柔らかい折りたたみ可能な素材のレンズや、白内障手術装置の開発により、約3mmの切開創から挿入できるようになりました。さらに、角膜乱視を軽減するトーリックレンズ、術後初期のまぶしさを軽減する着色レンズ、ピントの合う距離が複数存在する多焦点眼内レンズなど様々な付加価値レンズが市販されています。

なお、保険適用の対象は単焦点眼内レンズ(ピントの合う距離が1か所であるレンズ)のみで、多焦点眼内レンズは先進医療の取り扱いを受けています。

文責:エイエムオー・ジャパン株式会社 児玉順子

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