骨折からの早期社会復帰のために
全身の骨の数は約206個あり、骨折の部位や折れ方、年齢などによって治療法が異なります。副木など、手術を行わない固定法もありますが、長期間の固定を必要とし、高齢者の場合には寝たきりに繋がる可能性もあることから、手術で骨接合を行うケースが増えています。
骨接合では術後早期に動くことができるのが特徴です。高齢者に多い骨折の場所としては大腿骨頚部(ふとももの付け根)、脊椎、上腕骨頚部(肩に近いところ)、橈骨遠位端(とうこつ:前腕の親指側にある長骨)などで、それぞれの骨の形状に合った骨接合材があります。力学的に体重を伝達しやすい髄内釘や、骨の形状に合ったプレート、ピンなどの骨接合材は、骨が癒合するまでの間体重を支えなければならないので、材質や表面加工も技術の進歩により変化してきました。
65歳以上の要介護の原因のうち転倒/骨折は9.3%1)と、脳血管疾患、高齢による衰弱、関節疾患に次いで高いリスクとなっています。骨折をしてしまった際の高齢者の寝たきり防止と、若い世代の一日も早い社会復帰を可能にするため、骨接合材の進化は日々続いています。 1)平成19年国民生活基礎調査より
文責:日本ストライカー株式会社 橋本あさ子