一般社団法人 米国医療機器・IVD工業会

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医療技術・IVDの変遷

『骨再建』で活躍する骨セメント

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骨セメントというとイメージが湧かない方には、歯科用セメントの仲間、というと分かりやすいでしょうか。人工関節置換術などの整形外科領域で50年以上使用されています。セメントというと接着剤のような使用法を想像されるかもしれませんが、むしろ歯科用同様、充填剤の役割を果たし、人工関節と骨の間を埋めて固定します。また比較的新しい使用法としては、骨粗鬆症や、骨腫瘍による脊椎圧迫骨折による疼痛に対して、経皮的に骨セメントを椎骨に注入して痛みを和らげるという治療法も行われています。

一方、脳神経外科領域では、脳腫瘍摘出術後の頭蓋骨欠損や陥没骨折などに、欠損部の形にセメントを成形して補うという治療法に使用されています。

骨セメントはポリマー(粉末)とモノマー(液体)を手術室で混ぜ合わせて反応させ、硬化させますので、現場では時計とにらめっこしながら挿入や成形のタイミングをはかります。

メーカーでは、長期に臨床使用され、信頼されている骨セメントの多岐にわたる使用法に対してもっとも適した専用器具の開発や研修プログラムなどに注力する一方、海外で販売されていて日本で薬事未承認の製品などの導入検討を慎重に行っています。

文責:日本ストライカー株式会社 橋本あさ子

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