一般社団法人 米国医療機器・IVD工業会

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医療技術・IVDの変遷

低流量麻酔の普及「温暖化対策と医療費削減への期待」

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麻酔領域において今、医療費削減や環境問題の観点から「低流量麻酔」が注目されてきています。低流量麻酔は、麻酔器を用い医師の手技によって吸入麻酔薬や酸素の使用量を必要最小限に抑えることができるほか、地球温暖化に影響を及ぼす温室効果ガス(CO2)を減らすことができると言われています。

では、どれくらい減らすことができるのでしょうか?

麻酔器を用いた全身麻酔では、吸入麻酔薬を患者さんに供給するために必要なキャリアガス(一定のガス流量)を流し、吸入麻酔薬を気化させるための気化器を用いて麻酔薬の濃度(麻酔の深さ)を調節します。このキャリアガスを必要最小限に抑え、再吸入させる麻酔薬の割合を通常より多くする手法が低流量麻酔です。

低流量麻酔が普及することにより、全国規模で使用される吸入麻酔薬量が削減でき、その効果は、数億~数10億円単位のポテンシャルを秘めています。

一方、低流量麻酔は医師の手技などに依存する安全上の問題など課題もありますが、航空機でいうAuto Pilotと同様なEtC(End-Tidal Control)機能が麻酔器にも搭載され、安全上での問題はクリアになってきています。温暖化対策と医療費削減に向けて低流量麻酔のさらなる普及が望まれます。

文責:GEヘルスケア・ジャパン株式会社 細波丈靖

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