一般社団法人 米国医療機器・IVD工業会

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米国医療機器・IVD工業会

医療技術・IVDの変遷

見逃されやすい病変を発見し、不要な追加手術を防ぐ画像診断

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日本では23人に1人がかかる乳がん。ライフスタイルの変化により乳がんの罹患率は増加しています。日本でも諸外国に遅ればせながら、乳がん早期発見をめざしマンモグラフィ検診が普及しつつありますが、治療の分野では患者のQOL向上の視点から、可能な限り乳房温存手術が選択されており、そのためには正確に切除範囲を診断することが重要です。正確な診断に一番有用とされているのがMRIで、「MRマンモグラフィ」とも呼ばれています。

MRマンモグラフィは、広がり診断のほかに、X線マンモグラフィや超音波診断で見逃されやすい副病変の診断、対側乳房病変の発見、術前化学療法後の効果判定などに有用とされています。(高性能なMRIは両側を一度に撮影できます。)対側乳房病変の発見というのは、一方の乳房にがんが発見された患者さんの反対側の乳房にも3.1%の割合でMRIによって乳がんが発見されたという論文が2007年3月に発表されました。米国では、MRマンモグラフィは診断の精度が高いことから、ハイリスクな女性の検診に適用するというガイドラインも発表されました。

高機能のMRIは国内に約2,600台ありますが、乳房専用のコイルを持ち、効果的に診断が出来ている施設はまだまだ少数であることから、普及のため、MRマンモグラフィ研究会(代表世話人=聖路加国際病院 中村清吾先生)が2006年発足しました。これらの活動が実り、MRマンモグラフィ専用コイルをがん拠点病院に配置する補助金が2008年の厚生労働省・健康局の財務原案に上がりました。正式に予算化され、日本で乳がんの精査にMRマンモグラフィが普及し、患者がこの診断(医療)技術を享受できることを願っています。

文責:GEヘルスケア 小林

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