一般社団法人 米国医療機器・IVD工業会

AMDD logo

一般社団法人
米国医療機器・IVD工業会

医療技術・IVDの変遷

関節リウマチにおける新しい画像診断

キーワード

関節リウマチは、全身の関節に炎症がおこり、進行すると痛みや変形が発生する疾患です。近年、「生物製剤」といわれる炎症性のサイトカイン※1を中和する働きのある薬剤出現により、関節リウマチに対する治療方法が改善してきています。また近年では、発症が1年目で劇的に進み(骨破壊)、そのあと慢性化するということが分かってきたため、できるだけ早期の薬剤使用により重篤化を防いだり、発症を遅らせたりする効果が期待されています。

しかし生物製剤などの薬剤は、大変高価であり、副作用も懸念されるため、より精度の高い早期リウマチの発見方法が必要となります。従来の血液検査やX線撮影よりも早期発見につながる画像診断として注目されているのがFDG-PET※2、MRI、超音波診断装置です。

FDGは炎症部位に集まるのが特徴で、関節の中の滑膜に炎症が生じたかどうかが、1回のFDG-PET検査で全身にわたって診断できるのがメリットです。MRIでは滑膜炎のほか、X線撮影では無理だった小さな骨びらんが発見でき、超音波ドップラー検査では関節血流の評価が簡便に行えます。

これらは、関節リウマチをより早期に発見できる可能性をもっており、今後ガイドラインが整備されることで、画像診断の使い分けも明確になってくると期待されます。

(注)
※1 サイトカイン:細胞から放出されるたんぱく質性因子の総称で、免疫、炎症、生態防御において重要な役割を担っている
※2 FDG-PET:FDG(フルオロデオキシグルコース)というブドウ糖の類似物質に放射性同位元素(F-18)をつけた造影剤を用いた陽電子断層撮影

文責:GEヘルスケア 小林

ケーススタディ・コラム一覧に戻る
pagetop