迅速に行ってこそ価値のある検査
日本では、地震の話題が絶えません。2004年の新潟中越地震で家が倒壊し、車中泊を余儀なくされる被災者の中に、少なからず肺血栓塞栓症の発作を起こしたり、死亡したりした方々が何人もいました。飛行機の中で長時間座り続けることでも起こりうるため、「エコノミークラス症候群」の名でよく知られるようになりましたが、血の巡りが悪くなり、血栓ができやすくなった状態で、急に立ち上がったりすると、血栓が肺動脈に詰まって気分が悪くなり、呼吸困難に陥る場合があります。
こういった場合、患者の症状をいかに早く診断し、適切な処置を施すかが患者の命を救う可能性を高めます。このためにD-Dimerという検査が大変役立ち、「循環器病の診断と治療に関するガイドライン」にもこの検査が挙げられています。
このように、現場で簡単に使用できる機器を用いて迅速に測定でき、いち早く肺動脈血栓塞栓症になる可能性を診断し適切な治療処置を行うことで死亡を避けることができるのです。
文責:ロシュ・ダイアグノスティックス 田中