一般社団法人 米国医療機器・IVD工業会

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医療技術・IVDの例

脳・神経

高齢社会時代を迎え、寿命が著しく延びている今日、社会的にも一段と関心を集めているのが脳の疾患です。脳卒中により、年間約11万1千人以上(2016年)の方が死亡しています。

脳卒中には二つのタイプがあります。脳動脈瘤が破れるくも膜下出血などの出血性のもの、血栓などにより脳梗塞を起こす虚血性のものです。これらの出血や虚血は、ときに麻痺や言語・運動機能障害などを生じさせることがあります。

脳・神経の医療機器

脳血管内治療(コイリング術)

カテーテル(細いチューブ)を足の付け根の大腿動脈から挿入し、X線で透視しながら脳動脈瘤まで誘導して塞栓物質(極めて細いプラチナ製コイル)を動脈瘤の中に詰めます。柔軟性に富むコイルは動脈瘤内への血流を遮断するので、動脈瘤の破裂が予防できます。
これは全身麻酔または軽い鎮静剤投与下で行われるので、頭蓋骨を切り開く外科手術より全身への負担が少なく、プラチナ製コイルによる治療例は全世界で125,000人を超えています。

→ 脳動脈瘤の患者さん体験談はこちら:血管内治療に条件がぴったり

脳深部刺激療法(DBS)

パーキンソン病は薬物療法が基本ですが、薬の効果が弱くなったときや、副作用が強く十分な量の薬が飲めないときなどに外科手術が試みられます。その1つが電気刺激による「脳深部刺激療法(DBS)」です。
頭蓋骨に10ミリちょっとの大きさの穴をあけ、細い電極を挿入して脳の深部に刺激電極を植え込みます。病気の進行に合わせて刺激量が調整できるというメリットがあります。しかし、外科手術は症状を軽減しても病気を治すわけではないため、手術後も薬と併せて治療を行うのが一般的です。

パーキンソン病の患者さん体験談はこちら:両胸皮下にパルス発信機

髄液シャント術

特発性正常圧水頭症は、治療可能な認知症の原因疾患です。現在、有病者数は30万人以上とされていますが、見過ごされることも多くあります。その治療は、過剰にたまった髄液を他の体腔に導く髄液シャント術です。基本的な脳外科手術であり、VPシャントと LP シャントがよく選択されます。症状の改善を促すには適正量の髄液を流す必要があり、チューブ内のバルブでコントロールできるようになっています。近年、圧可変式バルブと過剰流量防止装置によって治療効果と安全性が向上しました。

突発性正常圧水頭症の患者さん体験談はこちら:脳内の髄液を腹腔へ排出

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