一般社団法人 米国医療機器・IVD工業会

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患者団体

治療法の確立とQOLの向上をめざして

2015年10月1日

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金井 國利 氏 一般社団法人 日本網膜色素変性症協会(JRPS) 理事長

眼の中にある網膜の視細胞が冒されていく病気、それが網膜色素変性症(RP)です。「いずれ失明します」「治療法はありません」そう宣告されたときの持っていき場のない絶望的な気持ちを、私たちは皆経験しています。そして、日々、視力や視野が失われていく恐怖と闘いながら、どうしたら自分らしく生きられるかを模索しつづけています。

JRPS(日本網膜色素変性症協会)は、1994年に千葉大学眼科の安達惠美子教授(当時)の呼びかけで国際網膜協会(RI)の日本支部として設立されました。現在、約4000名の会員が「治療法の確立」と「QOLの向上」をめざして主体的に活動を続けています。

私たちは、この希少疾患に対する研究の灯を絶やしたくないという一念から、毎年、網膜色素変性、網脈絡膜変性、ロービジョンなどに関する研究を行う研究者や研究機関に対して、わずかながら研究助成を行っています。今年で19回目となるこの「JRPS研究助成事業」は、受賞した先生方とその後も緊密なコミュニケーションをとらせていただくことで、単なる一時的な助成にとどまらず、今や世界のトップランナーとして活躍している研究者を何人も輩出しているという、まさに我々の誇りとなっている事業でもあります。

そして、先生方の努力の結果、ここ数年で研究が一気にすすみ、私たちは長いトンネルの先に一筋の光を見出した思いを抱いています。治療のアプローチは、人工網膜、神経保護、遺伝子治療、そして昨今話題になっているiPS細胞による網膜再生とさまざまですが、患者は、積極的に治験や臨床研究に参加したいと意欲満々です。

網膜色素変性症という病気も一般的ではなく、JRPSという組織の知名度もまだまだですが、人知れず悩んでいる潜在的な患者さんには「あなたは一人ではありませんよ」と声をかけたいのです。JRPSの会員は、自分たちの病気をより正しく知り、病気と向き合いながら、治療法の確立を待っています。孫の代には、網膜色素変性症は治る病気、進行が止まる病気である、と言える日がそこまで来ていることを願っています。

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