一般社団法人 米国医療機器・IVD工業会

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患者団体

患者家族の訴えが政府に届くまで

2011年1月1日

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成松 恭子 氏 側弯症患者の会(ほねっと)代表

側弯症患者の会(ほねっと)を設立した発端は、背骨の一部が変形し、肺の成長が妨げられる『併発型先天性側弯症』の子供たちの治療に用いられる矯正器具『VEPTR:ベプター』の早期承認を求める嘆願運動にさかのぼります。

娘がVEPTR治療を始めたのは4 歳の頃でした( 現在7歳)。VEPTRとは、骨格未成熟な胸郭不全症候群患者における、胸郭変形を機械的に安定・矯正するために使用する医療機器です。当時、日本ではVEPTRが医療機器として承認されておらず、治療には多額の費用が必要でした。

平成20年3月、娘の成長記録を綴っていたブログから、VEPTR嘆願運動が始まり、やがてその声はメディアを通じて、善意の輪で全国へと広がりました。同年の5月19日には、VEPTRを必要とする子供たちと一緒に、当時の厚生労働大臣であった舛添要一氏と直接面会をし、親たちが置かれている切実な思いを届ける事ができました。

多くの方々のご協力を得て集められた約14万筆の署名を携え、厚生労働省へ再三お願いした結果、平成20年12月22日付にて、VEPTRが医療機器として承認されました。一人ひとりの力は小さなものでも、患者家族が集い合い、切実な思いを訴え続ける事で、やがてそれは大きなパワーを生み出すことが出来、患者家族が切に願っていたことを成し遂げることができる達成感を強く感じました。

その後、側弯症の認知をより高めるべく、平成21年2月に患者会を設立し、ホームページなどで情報発信を行っています。平成22年10月現在、会員数も全国で140名以上となりました。側弯症の治療は、長期の間コルセット(装具)を必要とする場合が多く、周りの理解がなければ、好奇な目で見られることもあります。自分の経験からも、患者本人はもちろんの事、家族にとっても精神的な負担が大きい疾患であると感じています。

患者会の活動を通じて、患者家族や子供同士の情報交換や交流を活発にし、より多くの人に側弯症について知ってもらい、正しい知識を持っていただくことによって、治療に励む幼い子供達や患者家族にとっての幸せに繋がるとともに、毎年発症する新たな患者さんとその親御さん達の苦しみを少しでも和らげる事が出来るようになればと願っています。

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