一般社団法人 米国医療機器・IVD工業会

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患者団体

関節リウマチは「寛解」の時代へ

2009年9月1日

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長谷川 三枝子 氏 社団法人 日本リウマチ友の会 会長

日本リウマチ友の会は1960年、長期の療養生活の中で精神的、経済的、社会的に多くの問題を抱えた患者同士が「リウマチに関する正しい知識を広め、リウマチ対策の確立と推進を図り、リウマチ性疾患を有する者の福祉の向上に努める」という目的をもって発足しました。現在の会員数は約2万人。全国47支部が地域に根づき、きめ細かな活動や自治体などへの働きかけを続けています。

関節リウマチ(以下、リウマチ)は発病原因が不明で、治療法も確立されていない病気で、日本には約70万人の患者がいるといわれます。絶え間ない痛みに苦しみ、日常生活が不自由になる場合も少なくありません。リウマチは専門医による初期の治療が大切で、早期診断、早期治療によって進行が抑えられるようになってきています。症状に大きな個人差があるので、患者一人ひとりに合う治療法を見つける必要があります。

リウマチ治療は、基礎療法、リハビリテーション、薬物療法、外科的手術療法という4本柱から成っていますが、近年、新薬が認可されて治療の幅が広がりました。特に生物学的製剤などの登場によって治療の選択肢が増えました。骨の破壊を抑えて症状が消失し、検査成績が正常化する「寛解」に導く効果に対して、患者の期待が大きく膨らんでいますが、薬価が高く、必要とする人が選べないという問題に直面しています。

一方、手術療法では人工関節置換術の進歩などにより機能障害が改善され、日常生活での自立とともに社会参加が可能となった患者も増えてきました。

2010年に創立50周年を迎えますが、いま5年ごとの「リウマチ患者の実態調査」を実施中です。調査はリウマチ患者を取り巻く医療・福祉・社会環境が数値で裏付けられ、当会の活動の基礎資料となります。ここに表れる問題点を一つひとつ解決しながらリウマチ患者の療養環境を整えていくのが当会の役割と考えています。

リウマチの治療目標として「寛解」がいわれる時代となりました。早期診断・早期治療により進行・悪化させず、望む日常生活・社会生活が可能となる時代となりつつある中で、『2010年リウマチ白書』にはどのようなリウマチ患者の姿が表れるか。「原因解明と治療法の確立」が夢でなくなることが私たちの切なる願いです。

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