一般社団法人 米国医療機器・IVD工業会

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患者団体

HIV検査はゴールではなくスタートである

2008年11月1日

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矢島 嵩 氏 特定非営利活動法人 ぷれいす東京 新陽性者PEER Group Meetingコーディネーター

「自分らしく生きることを応援します。」― HIV/AIDSと共に生きる人たちがありのままに生きられる環境を創り出すことを目指して活動している「ぷれいす東京」が掲げる最も大切な言葉です。私たちは、具体的には 1)HIV陽性者とその周囲の人の直接支援 2)予防啓発活動 3)研究・研修、を3つの柱と位置づけて活動をしています。

1990年代後半にHIVの治療法は大きく進歩し、死を待つだけの病気から、慢性疾患に近い病気へと劇的に変化を遂げました。しかし、治療方法の進歩ほどに社会は変化をしたでしょうか。HIVを持ちながら、自分らしく生きていくことができる社会になったでしょうか。今でも多くのHIV陽性者が自分の病名を周囲に告げることが難しいと感じながら、この街で暮らしているのが現実です。

生きにくいと感じている人たちへの支援なくして、予防や検査のみを声高に叫ぶのでは意味がないのです。予防をすることが難しいと感じている人の気持ちに寄り添い、陽性と分かった人のその後のロードマップを示していくことが必要です。そして誰もが安心して、自分の幸せと将来のためにHIV検査を受けよう、という気持ちになるための環境作りが大切なのです。

私は1996年にHIV陽性と知り、その後HIV陽性者同士のピアサポートに取り組んできました。現在は、HIV陽性と知って間もない人のためのプログラムのコーディネーターをしています。自分自身のHIV検査を受けてからの経験、そしてHIV陽性と知って間もない人たちとの関わりからも、ひとつの真実が見えてきます。それは「HIV検査はゴールではなく、スタートである」という真実。自分の幸せと将来のために検査機会を利用する権利は誰にでもあるのです。その結果が陰性だとしても、陽性だとしても。

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