一般社団法人 米国医療機器・IVD工業会

AMDD logo

一般社団法人
米国医療機器・IVD工業会

患者団体

女たちの手で日本に患者会を根付かせた

2004年8月1日

キーワード

ワット 隆子 氏 あけぼの会 会長

<あけぼの会>は発足26年目、全国に4000人を超える会員と35支部、そして、70人の顧問医を擁する乳がん患者会です。会長の私は東京の日赤医療センターで27年前に乳がん手術を受けました。37歳の時です。若かったのと、腋下リンパ節に転移があったので、再発は防げないと思い込み、退院後は非常に落ち込んで、精神科に通うこともありました。

精神科に通っても、なかなか自分が求めていた魂の拠りどころは得られず、悩んだ末に、同じ体験をした人同士がサポートし合うことだ、という結論に達して、新聞に投書し呼びかけたのが<あけぼの会>誕生のきっかけでした。

1978年10月、初めて集まったのが関東地方の17人。今、全国すべての県に会員がいて、さらに国内だけでなく、海外(アメリカ、スペイン、韓国)に5人の会員もいます。

あけぼの会が26年間にこのように大きくなったのには次のような理由が考えられます。
1) 乳がんが日本で増加の一途を辿ってきたこと
2) 患者会の必要性を個々の患者が感じていること
3) あけぼの会が患者のニーズに応える活動を展開していること
4) 患者会が社会的評価を受けてきたこと
5) 医療者が患者会から学ぶことがあると考えるようになってきたこと

しかし、最も大事なポイントは、私が<あけぼの会>を作った時、それは単に患者が集まって同病相憐れむ会であってはならない、必ずや社会に役立つ活動を実践するものでなければならない、とうたって、それを実行してきたことだと思います。また、会のモットーには「再び、誇り高く美しく」を掲げて、がんの手術で一度失われかけた誇りを取り戻して、再び美しく生きるのだ、という姿勢が女性がん患者に特にアピールしたと思われます。

会の運営には数々の問題があり、私も何回か挫折しそうになりながら今日まで来ました。それでも、全国で日々新しく手術をしたり再発が起きてしまう患者がこの会を頼りにしているので、何とか踏ん張っています。社会からの理解と支援が何より励ましになっています。

医療技術・IVDをめぐる声一覧に戻る
pagetop