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報道・医療関係者

未来をつくる「ひろしま」の医療・福祉機器産業 ~ものづくり県の更なる飛躍への挑戦~

2015年1月1日

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湯﨑 英彦 氏
広島県知事

 

広島県は、重工業から先端産業までバランスのとれた中四国地方随一の産業集積を有しており、世界屈指の独自技術を持つオンリーワン企業や、特定の分野で高いシェアを持つナンバーワン企業が多数存在しています。この世界に誇るものづくり技術の集積を活かしながら、ポテンシャルを最大限発揮でき、かつ将来的に成長が見込める新たな産業として、本県は医療・福祉関連分野の育成に全力をあげることとしました(「ひろしま産業新成長ビジョン(2011年7月策定)」)。2012年7月には医療関連産業の集積に向けたアクションプランを策定し、ひろしまの技術力を活かした質の高い機器開発やビジネスモデルの構築、これによる安全・安心な医療・福祉サービスの提供を目指して日々活動しております。

スタートから約3年、これまで医療機器などの製品開発、事業拡大、他分野からの参入に積極的に取り組む企業を支援してまいりました。例えば、2011年11月には「ひろしま医療関連産業研究会」を発足させ、およそ月に1回、薬事セミナーや新規参入セミナー、医療現場のニーズ発表会を行っています。また(公財)ひろしま産業振興機構に専任のコーディネーター5名を配置し、各人の得意分野を活かしながら、企業の製品開発から薬事認証の取得、販路拡大までトータルにサポートしています。さらに資金需要に対しても、補助金制度(ひろしま医療関連産業創出支援事業費補助金)や研究開発委託(医療・福祉課題解決に向けたデバイス開発パイロット事業)を設け、製品化・事業化のための研究開発、販路拡大などに要する経費を幅広く支援しています。この結果、これまでに20を超えるプロジェクトが製品化にこぎ着け、新たに10社が医療機器製造・製造販売業許可を取得するなど、少しずつ成果が表れてきました。

今後は、「ひろしま発」をキーワードに新たな取り組みを推進していきます。その目玉のひとつが、来年度より展開する「ひろしまヘルスケア実証フィールド」という事業です。実証フィールドは、製品の事業化や販路拡大において必須である治験・臨床実験・評価といった企業単独ではハードルが高いプロセスを、広島県内の医療機関、福祉施設、大学などが積極的に受け入れることで、製品やサービスの開発・改良に活かしていただけるような仕組みです。課題に応じた最適な実証先の確保、各種手続きサポートを迅速に行う体制を整え、来年度からの本格運用に向け、関係機関と準備を進めております。もちろん県内企業に限らず、全国から広くテーマを募集しますので、興味のある企業の方はぜひ広島県をパートナーに選んでいただきたいと考えております。

また、地域の皆様によりよい医療を届けるため、広島駅より徒歩5分の好立地に「広島高精度放射線治療センター(仮称)」を現在整備中です。無床で通院治療を基本とし、生活スタイルを変えずに治療ができること、広島市内の4基幹病院(広島大学病院・県立広島病院・広島市立広島市民病院・広島赤十字・原爆病院)の連携によって治療を提供することが特徴的な施設です。最新の高精度リニアック装置を揃え、2015年秋に運営を開始します。

さらに、グローバル展開・広域的な連携も積極的に図っていきたいと考えております。2013年1月には、研究会のセミナーにAMDD理事のジョン・ハリス氏らをお招きし、日本のものづくり企業との連携についてご講演をいただいたところですし、私自身も先日開催された米日カウンシル知事会議に出席した際、スタンフォード大学バイオ・デザイン・プログラム・クラーク・センターやフォガティ・インスティテュート・フォー・イノベーションなどを訪問し、米国の最新の開発手法を学ぶとともに、互いの取り組みについて情報交換を行いました。

これから広島県は、AMDDメンバーをはじめとする世界のヘルスケア産業をリードする皆様とともに、より強固な関係を築き、互いのますますの発展に向けた協働ができればと考えております。

今後ともご支援をよろしくお願いいたします。

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