世界に貢献する『医療関連産業の一大集積地』を目指して
2014年9月1日
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大越 正弘 氏
福島県医療関連産業集積推進室長
福島県では、東日本大震災以降、新たな時代をリードする新産業の創出として、「医療関連産業の集積」を復興計画の重点プロジェクトの1つに掲げています。
この取組みとして、研究開発支援、異業種からの参入支援、人材育成、販路拡大、そして拠点整備を実施しています。
まず、研究開発支援では、医療機器の製品化・企業技術の高度化を支援する「ふくしま医療福祉機器開発事業費補助金」ほか2種類の補助金で計53件総額約142億円を採択しています。さらに、本年度は開発製品の事業化支援のため、対象施設等の整備費を補助する「福島医療・福祉機器開発・事業化事業費補助金」を創設し、7件総額約18億円を採択しました。
これらの成果として、災害医療分野では、タブレット端末を利用したトリアージ教育訓練システムの開発や、短時間かつ簡易にドライアイ診断を可能とする医療機器の製造など、様々な分野で当県企業の優れた技術を活かした開発や製品化が行われています。
販路拡大では、AMDDにもご出展頂いている「医療機器設計・製造展示会メディカルクリエーションふくしま」を開催しています。昨年度は、過去最多の221企業・団体が出展しました。加えて、本年度は開催10周年となり、日本臨床外科学会様との併催展も開催予定です。
また、海外販路拡大として、世界最大の医療機器関連展示会「MEDICA/COMPAMED」の出展や、JETROが実施する「地域間交流支援事業(RIT事業)」の採択を受け、ドイツのノルトライン=ヴェストファーレン州と企業間交流に関する覚書を9月1日に締結しました。
拠点整備についても、国内初の大型動物による医療機器の安全性評価など、開発から事業化まで一体的支援を行う「福島県医療機器開発・安全性評価センター(仮称)」の整備を進め、平成28年度の開所を目指しています。
福島県では、現在、医療機器生産額全国4位(1,089億円(平成24年薬事工業生産動態統計年報))、医療用機械器具の部品等生産額全国1位(133億円(平成24年度工業統計調査))など、全国有数の医療機器生産県となっています。これらの取組みを通じ、第2次復興計画の終期である平成32年度には医療機器生産額1,750億円を達成したいと考えています。
今後も様々な企業支援を通じ、医療機器産業の集積を図ってまいりますので、引き続き、福島県の取組みにご支援とご理解をお願いいたします。