一般社団法人 米国医療機器・IVD工業会

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報道・医療関係者

日本国民のQOL向上のために

2008年7月1日

キーワード

マイク A.ムサレム 氏
先進医療技術工業会(AdvaMed)会長、エドワーズライフサイエンス社会長兼最高経営責任者

 

2008年3月、米国の先進医療技術工業会(AdvaMed)の会長にマイケル A.ムサレム氏が新たに就任しました。
ムサレム会長より「日本国民のQOL向上のために」と題して、寄稿いただきました。

 

日本では、だれもが自動車や高度な電化製品、電子機器など、世界最高品質の商品を手にする機会に恵まれています。しかし、一つだけ例外があります。それは医療機器です。日本の患者さんは、欧米、さらには中国やインド、タイなどの新興国でも使われている最新の製品が使用できないのです。先進医療技術がなければ、日本国民の生活の質(QOL)は損なわれ続けるでしょう。

世界中の医療技術企業は、患者さんがより長く生産的な生活を送れるよう、製品の開発に励んでいます。私は世界最大で、最も権威のある医療技術組織のAdvaMedで会長を務めていることを誇りに思っています。メンバー各社は医療機器や診断薬を生産しているほか、より早期の診断、低侵襲な手法、より効果的な治療を通じ、ヘルスケアの変革を行なう健康情報システムを構築しています。

私たちには患者さんのQOLを高めたいという情熱があります。医療技術は、より早期の診断と疾患や障害に対する優れた治療によって治療成績を向上させることができます。また入院日数の削減と早期回復によって、医療システムにも大きな利点をもたらします。

しかし日本の患者さんは、革新的な医療機器の数々が日本で承認されていないため、それらの恩恵を受けることができません。

安全性と有効性が確認されている技術が日本の患者さんに届くのに、平均して2年かかります。この「デバイス・ラグ」の主な原因は、日本国内で進められる承認プロセスの緩慢さにあるのです。日本では、医療機器の審査員の数が承認申請を効率的に進めるのに十分ではありません。また、審査プロセスに長期間を要し、他国に比べて非効率的な部分が多くあります。その結果、患者さんの寿命を伸ばし、生活を向上させ、世界では当たり前に使用されている、安全で効果的な医療機器の承認を、日本の患者さんは何年も待つ必要があるのです。

幸い、このような状況は適切な取り組みにより改善できます。医療機器の承認プロセスに関する改善の必要性は、日本の行政官や政治家、医師会、患者団体などによって広く理解されています。また日本では、他の主要先進各国の水準まで医療機器の審査員を増員し、承認への必要項目とプロセスの簡素化をし、より効率的な承認計画を実施すべきである、という世論が広がりつつあるのです。

医療機器メーカーはデバイス・ラグを短縮し、私たちは現体制に苦しむ日本の患者さんが先進医療技術の入手を可能にするために協力し、また努力しています。日本は世界最先端医療技術を患者さんに提供することで、世界のリーダーになることができるはず、と我々AdvaMedは確信しています。私たちはこの夢の実現に向け、全力でサポートしてゆくつもりです。

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