祝!AMDD設立10周年 ~賛辞と期待~
2019年12月1日
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髙江 慎一 氏
独立行政法人 医薬品医療機器総合機構
医療機器審査第一部 部長
一般社団法人 米国医療機器・IVD工業会の設立10周年にあたり、心よりお祝い申し上げます。十年一昔と申しますが、10年前は、デバイスラグ真っ盛りで審査側と申請者側の対立が顕著だった時に、打開策を模索すべく「医療機器の審査迅速化アクションプログラム」を策定した時期です。その後、アクションプログラムで得られた信頼関係は「医療機器審査迅速化のための協働計画」で更なる成長を遂げ、本年7月には「医療機器規制と審査の最適化のための協働計画」と「体外診断用医薬品規制と審査の最適化のための協働計画」が策定・公表されたところです。
改めてアクションプログラムの内容を眺めてみると、この10年でほとんど実現されていることに驚かされます。また、結果として、業界の皆様と協働する中で審査期間が劇的に短縮されたことはもとより、業界と行政の間に深い信頼関係に基づいた良いコミュニケーションが図れる体制を確立できたことが何よりも大きな成果であると考えています。
また、この10年、様々な革新的な医療機器・IVDが上市されました。経カテーテル大動脈弁治療(TAVI)や遺伝子パネル検査、そのほかにも数えきれないほどの新しい医療機器が上市されました。日頃より、日本の医療の発展に貢献すべく、政策提言をはじめとする活動をモットーとされているAMDDの会員各社の数多くの製品も日本の患者さんのために役立っています。
これらもひとえに業界の皆様、またその中でも特に承認申請が必要なハイリスクの医療機器・IVDの上市に対応されているAMDDの会員各社・関係者の皆様のご協力・ご理解の賜物であると考えており、改めまして深く御礼申し上げる次第です。
この先の10年はさらに変革が早くなるでしょう。AIを利活用した医療機器やウェアラブル機器、そして小児用医療機器などが開発されることを期待していますし、協働計画の表題どおり「最適化」をキーワードとして、行政側もこのような新たな製品に対応した規制を適時適切に導入していく所存です。これからもAMDDの会員各社・関係者の皆様方が、よりよい医療機器をより早くかつ安全に日本に導入していただくことを心より願っております。