世界の技術と日本のニーズとのマッチングにおける役割を期待
2019年12月1日
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富原 早夏 氏
経済産業省 商務・サービスグループ
ヘルスケア産業課 医療・福祉機器産業室 室長
設立10周年を迎えられた米国医療機器・IVD工業会および会員企業の皆様に心よりお祝いを申し上げるとともに、日本の医療の質の向上に大きく貢献してこられたことに感謝申し上げます。
経済産業省では、誰もが人生を幸せに生きることが出来る『生涯現役社会』の実現を目指しております。日本は世界に比べて高齢化が顕著であり、高齢化率が27%を超える「超高齢社会」となっている中で、近年の医療機器産業を取り巻く環境の変化は著しく、従来の「治療型」に加え、「予防・進行抑制型」、「介護」などの新たな領域で医療機器やサービスのイノベーションが起きており、ロボット技術やAI、IoT等の異分野からの技術革新や異業種、ベンチャーなどの新規プレーヤーの参入も期待されております。
平成27年度にAMEDが設立されてから、政府一体となって基礎から実用化まで切れ目ない研究開発支援を行ってきました。まもなく5年が経過し、来年から2期目を迎えるところでございます。AMEDや関係省庁と協力しながら、革新的な医療機器等創出のための基盤整備や開発支援を行ってまいります。課題先進国である日本のニーズから新たな医療機器・サービスが生まれ、グローバルに展開していくためには、主要国に関する経験・知識・ネットワークが豊富な貴会会員企業による更なる投資と、様々な主体との連携が進むことを期待しております。最近では、国内の中小企業の技術や優れた素材を活用した新たな医療機器の開発や、医療機関や自治体と連携し、その地域が抱える超高齢社会に伴う課題に対し、新たなソリューションの創出に向けた投資事例も見受けられます。
また、日本がこうしたイノベーションの拠点として有望であることを海外に発信し、世界の優れた技術と日本のニーズとのマッチング機会創出の場を設けることが重要であると考え、昨年に「1st Well Aging Society Summit Asia-Japan」を開催し、12カ国からベンチャー、企業、投資家、有識者、政府関係者など約800名に来場頂きました。今年はG20に合わせて10月16日から17日にかけて開催し、日本や各国の先進的なベンチャーや、医療・介護の未来に向けたビジョン・取り組みを共有する予定です。ご参加をお待ちしております。