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医療を支えるチーム医療 第2回 臨床検査技師

2019年7月1日

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宮島 喜文 氏
一般社団法人 日本臨床衛生検査技師会 代表理事会長

我が国のチーム医療は従来から患者にとって安全で良質な医療サービスを提供するために展開されてきたものです。その基本は従来の医師や看護師だけでなく、多職種が各々の専門性を活かし、深い知識と高い技術力を駆使して患者とともに病気に向き合うことであり、当初は医療機関での感染制御や栄養サポートなどからその活躍が始まりました。

平成21年、国はチーム医療を推進するために医師と看護職等の役割分担の見直しを始め、5 年後に特定行為に係る看護師の研修制度の創設や臨床検査技師の検体採取などに関する法律を改正しましたが、現在、医師の働き方改革の検討会で更なる医師や看護師の負担軽減のための多職種へのタスクシフトなどが検討されようとしています。

そのような中、日本臨床衛生検査技師会(以下日臨技)では、臨床検査技師の職務範囲は医師の指示が出た時から始まり、臨床検査に関する患者への説明、検体の採取、正確な分析・測定、結果の集約と評価、報告の一連の工程であると考え、会員への教育研修を進めるとともに、現場で実践できるように関連法律や改正に取り組んできました。

一方、近年、「第4次産業革命」時代を迎え、製造業で言えば、AIやロボットなどを導入した生産技術の改変や新市場の製品の開発、組織運営の変革などに及ぶイノベーションが始まると言われています。当然、医療の分野でも、更には臨床検査の領域でも同様に考えられることから、今後開発される検査機器について操作や監視などの単純作業は、人の手から装置に置き換わることが予想され、その結果として臨床検査技師の分析前後の業務へのシフトが加速できるものと期待しています。

更に、分析作業の効率化のみでなく、臨床検査技師による検査結果の集約・評価や検査結果の解釈などにおいて、活用し情報提供できる機器の開発、運用システムの構築、人材育成が急務と考えています。

宮島 喜文 氏
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