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報道・医療関係者

医療を支えるチーム医療 第1回 臨床工学技士

2018年10月1日

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本間 崇 氏
公益社団法人日本臨床工学技士会 理事長

日本における医療技術の高度化・複雑化及び医療機器の著しい技術進歩により、今まで不可能であった治療も可能になり、患者さんの社会復帰に貢献しています。

一方、日本の医療が直面している問題として、医学の進歩に伴い高齢化の進行や患者さんの社会的・心理的な観点及び生活への十分な配慮が必要となり、医師や看護師・臨床工学技士等の医療従事者による更なる「チーム医療」の推進が求められています。

従来から、私たち「臨床工学技士」は、血液浄化、人工心肺、人工呼吸器などの生命維持管理装置を扱う診療の補助を行える医療専門職種として、臨床の場で、医師、看護師などとチーム医療の実践を図ってきていますが、チーム医療を推進する目的は、各職種が持つ専門性を積極的に活用し、多職種間協働を図ることにより医療の質を高めるとともに、効率的な医療サービスを提供することにあります。医療の質的な改善を図るためには、職種間のコミュニケーション、患者さんの情報共有化、チームマネジメントの3つの視点が重要になります。

チームとして医療を推進するための「チームアプローチ」の質を向上させるためには、互いに他の職種を尊重し、明確な目標に向かってそれぞれの見地から評価を行い、専門的技術を効率良く提供することが重要になります。そのためには、カンファレンスを充実させることが必要であり、カンファレンスは、単なる情報交換の場ではなく議論・調整の場であり、患者さんにとって最良の援助が出来るようにすることが求められています。また、チームアプローチの実践には、様々な業務について特定の職種に実施を限定するのではなく、共有する業務も多く存在するため、関係する複数の職種が、患者さんの状態や医療提供体制などに応じて臨機応変に対応することが必須となります。

高度な医療には医療機器の使用が不可欠であり、操作には医師、看護師、臨床工学技士などの有資格者の安全な操作技術が必要です。インシデント・アクシデント報告において、医療機器の不適切な操作による事例も発生しております。私ども臨床工学技士は、チーム医療の観点から各職種に対し正しい操作方法の研修を実施し、安全に操作できるように働きかけを行っております。

私たち臨床工学技師会は、今後も先端医療技術による高度化した医療機器の操作・点検や日本の医療の急激な変化にも対応し、新しい分野においても、今まで以上に他職種とのチーム医療を実践し、患者さんにとって最良の医療を提供し、患者のQOL(Quality of Life)の向上に向けた業務を確立していかなければならないと考えております。

本間 崇 氏
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