一般社団法人 米国医療機器・IVD工業会

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報道・医療関係者

医療機器産業の皆さんへの期待―イノベーションの創造を<千葉県>

2017年6月1日

キーワード

古元 重和 氏
千葉県健康福祉部保健医療担当部長

1.自治体が直面している課題

医師不足、看護職員不足、介護職員不足、保育士不足。 いま全国の自治体が直面している最も大きな課題は何といっても「人材不足」です。先日公表された厚生労働省の人口動態統計によると、2016年に生まれた子供の数は約97万7千人であり、同統計をとりはじめた1899年以降、初めて100万人を下回ったとのことです。驚きました。

労働力が減少する中、千葉県内では今後、入院患者は1.4倍、在宅患者は2倍に増加すると見込まれています。労働集約型産業である医療・介護の分野では、提供されるサービスが増加・高度化するに伴い必要な人材は増加し、結果として人材不足は解消せず、特に地方では医療安全等に支障をきたすことにもなりかねません。急激な人口減少、超高齢化を前提とした、安心安全な社会づくりが求められています。

2.求む、イノベーション

私はAMDDをはじめとする医療機器産業のみなさんに、この局面を乗り切るための「イノベーション」を期待しています。すなわち、より少ない人数(労働力)で、より質の高い医療・介護、幸せな社会を実現するためのデバイスの開発をお願いしたいのです。

東京大学名誉教授の吉川洋先生によると、日本経済が実質ベースで毎年10%成長していた戦後の高度成長期、労働人口は毎年1.3%しか増加しておらず、その差約9%は労働生産性を高めることにより実現されたとのことです。こどもたちの未来のためにも、「滅私奉公」ではなく「イノベーション」により労働生産性の向上を目指そうではありませんか。

3.地域全体を視野に

医療と介護は、これからますますボーダーレス化します。国内に約1,700あるすべての市町村では、従来型の「病院中心の医療」から地域全体で医療・介護を提供する「地域包括ケア」への転換に向けた試行錯誤が進められています。予防・早期発見の取組も重要です。

手術室や検査室、病院の中だけではなく、地域全体を視野に、世界最先端の高齢化社会である日本をフィールドに、皆さんの知識、技術、経験そしてバイタリティーを活かしてイノベーションを創造しませんか。

4.千葉県の3つの魅力

日本社会の縮図である千葉県は、医療機器開発の実証(プルーフ・オブ・コンセプト)の場として最適の環境です。医工連携にも取り組んでおり、今後、戦略特区等も活用しながら、皆さんの医療機器開発等のビジネスを支援します。ご興味のある方はぜひ商工労働部企業立地課(043-223-2444)までお声かけください。

①東京湾アクアライン、圏央道などの道路ネットワークの充実や、成田空港、千葉港による国内外へのアクセスの良さが魅力。

②かずさアカデミアパーク、千葉ニュータウンなどの多様な産業用地に加え、袖ケ浦、茂原で新たな工業団地を造成。工場、研究所などの立地の際には豊富な支援メニューを用意。

③東京大学柏キャンパス、国立がん研究センター東病院、千葉大学、千葉工業大学、かずさDNA研究所など医療、AI等の先端医療機関が集積。

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