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報道・医療関係者

アジアのハブクラスターを目指して~「ふじのくに」にオープンイノベーションの拠点誕生~ 〈静岡県〉

2016年11月1日

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水口 秀樹 氏
静岡県経済産業部商工業局新産業集積課長

静岡県は、医薬品・医療機器・化粧品の合計生産金額が日本一で、企業の研究所や生産工場が数多く集積しています。特に富士山周辺の県東部地域では、医療機器の国内シェアがトップクラスのテルモや、臨床検査機器を製造するベックマンコールターなどが立地しています。こうした国内トップの集積を更なる地域創生に活かすため、静岡県は、平成14年の静岡がんセンター開院を契機として、ファルマバレープロジェクトをスタートさせました。このプロジェクトは、「疾病克服・健康増進」と「産業振興」を施策の両輪に、世界一の健康長寿県の実現を目指しています

プロジェクトの特徴は、陽子線治療装置やロボット手術症例で国内トップクラスの高度がん専門病院である静岡がんセンターを中心に産学官金のネットワークを構築し、いわば「医療城下町」といった産業クラスターを形成している点です。

プロジェクトには、わが国の遺伝学の中核拠点である国立遺伝学研究所や、医療機器・医薬品メーカー、地域企業、大学、研究機関、金融機関など、500以上の団体が参画・連携し、これまで70以上の製品を生み出してきました。
平成28年9月1日には、プロジェクトの新たな拠点施設となる「ファルマバレーセンター(正式名称:静岡県医療健康産業研究開発センター)」がフルオープンしました。

センターは、地域企業の医療分野への参入と製品開発を進める戦略的施設であり、オープンイノベーションに必要な研究開発、企業支援、人材育成、交流・連携の諸機能が一元的にパッケージ化されています。また、テルモが入居し、人工心肺装置などのME製品を開発・製造するとともに、地域企業である東海部品工業が入居し、インプラントの開発・製造を行っています。また、23室ある研究室には、オリンパステルモバイオマテリアル、サンスターや地域企業など8社と、知財事務所、コンサルタントが入居しています。

プロジェクトの中核支援機関であり、施設の指定管理を行う(公財)静岡県産業振興財団ファルマバレーセンターが、入居企業・地域企業を全面的にバックアップし、多様な企業などの垣根を越えた連携により、世界展開できる革新的な製品が数多く生まれる期待が高まっています。

センターの開所により、ファルマバレープロジェクトは新たなステージに移行しました。今後はセンターの機能を最大限に活用し、Made in Mt.Fujiの医療機器、医薬品などを世界に向けて発信するとともに、「美と健康の都」にふさわしいアジアのハブクラスターに成長するべく、国内、世界の製薬・医療機器・化粧品に関するメーカーや研究者に関心を持っていただける魅力ある地域を創造してまいります。

手前:ファルマバレーセンター
奥: 静岡がんセンター(写真提供:長泉町)
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