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医療を支えるチーム医療 第3回 理学療法士

2020年2月1日

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斉藤 秀之 氏
公益社団法人 日本理学療法士協会 副会長

理学療法士及び作業療法士法(昭和40年6月29日制定)において、理学療法は「身体に障害のある者に対し、主としてその基本的動作能力の回復を図るため、治療体操その他の運動を行なわせ、及び電気刺激、マツサージ、温熱その他の物理的手段を加えることをいう」と定義されている。今日の地域包括ケアシステムの推進によって、医療保険のみではなく、介護保険および地域ケア会議、医療介護連携、介護予防、認知症施策に関し、「自立支援」に重点的に取り組める職種として、期待は大きいと認識している。つまり、我が国の理学療法が、世界理学療法士連盟が整理している“promotion, prevention, treatment / intervention, habilitation and rehabilitation" という世界標準の理学療法士の概念に近づいてきたと言える。

医療を支えるチーム医療ならびに医療機器の視点から、急性期、回復期、さらには慢性期における医療的ケアが必要な現場において、医師、看護師とともに理学療法士が必須の構成員としてチーム医療の基盤となる時代が近づいていると考える。とりわけ重度者に対しては、高度な医療機器を使用して生命と健康を支えると同時に、自立支援や心身の予備能、残存機能を高める理学療法を提供することで、人生の尊厳を守り、医師や看護師の負担軽減に繋がることは容易に想像できる。質の良い医療現場では、権限委譲の成熟度が高いプロフェッションによるチーム医療がなされている。このことが全国津々浦々に行きわたることが重要と考える。

最後に、今後は従来からの医療機器の高度化に加え、ロボティクス、ICT、人工知能等の技術革新を取り入れたチーム医療への取り組みを避けるわけにはいかない。「人と人」から「人と人と医療機器」というパラダイムシフトに対応すべきことを述べて終わりとする。

斉藤 秀之 氏
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