その他の部位
胃
ペプシノゲン法
ペプシノゲン法は血液中のペプシノゲンⅠ(PG I)とペプシノゲンⅡ(PG II)と呼ばれる物質を測定し、各測定値やPG I / PG II比を指標にして胃粘膜の萎縮の程度を診断する検査法です。胃粘膜が萎縮する主な原因はヘリコバクターピロリ菌であり、長期間この菌に感染していると胃粘膜の萎縮が進行することが分かっています。また、萎縮が高度に進行した胃粘膜からは胃がんの発生率が高いことも報告されていますので、ペプシノゲン法とピロリ菌に対する抗体検査を組み合わせ、胃がんリスクを層別化する方法も考案されています。
腎臓
腹膜透析
腹膜透析は、週約3回通院し1回4 ~5時間かかる血液透析に対して、家庭でも続けられる透析方法です。人工合成膜ではなく、自分の内臓の表面を覆っている「腹膜」をろ過器として利用し、お腹の中に透析液を出し入れすることで血液中の余分な水分や老廃物を体外に排除します。夜寝ている間に器械を使って自動的に透析液を交換するAPD 法と、日中数回( 1回約30分)透析液を交換するCAPD 法があります。 自動腹膜灌流装置はレンタル、透析液は処方箋に従って自宅に配送されます。
お腹
腹壁ヘルニア補強術
以前にお腹の手術を受けた人が起こすヘルニアを「腹壁瘢痕ヘルニア」といいます。手術のとき出来た傷跡(手術創)の組織が弱くなることなどにより、皮膚の下まで腸などの内臓の一部が突き出してくる病気であり、不快感や痛みを除くために手術が必要となります。腹膜や筋膜、腹部の筋肉を縫い合わせると患部に過度の緊張がかかって、術後に痛みやつっぱり感が生じます。そこで弱った筋膜や筋肉を人工補強材(ポリプロピレンや延伸PTFE製メッシュ)で補強する、緊張のかからない(テンション・フリー)手術法が考案されました。